第96回選抜高校野球は健大高崎の初優勝で幕を閉じました。今回は個人的な感想を述べていきたいと思います。
・感想
後述しますが、低反発バットの影響もあってか、例年以上に接戦が多くて見てて面白かったです。あまり大差がつき過ぎるのもアレなんで。個人的には打ち合いが好きなんですが、ロースコアの試合も悪くないと思いました。上位に来るチームは戦力が豊富なこともあり、投手起用にも余裕が見られましたので、思い切って投げることができたのもあるのかな、と考えます。
・低反発バット
大会前に一番注目していた低反発バット。結果は3本塁打のみ(1本は大阪桐蔭・境のランニングホームラン)と、予想通りの効果がありました。とは言え、送りバントが頻発したかと言えばそうではない印象があります。勿論、点が取りたい場面でのバントは変わらず多いような気がしますが。準決勝は甲子園球場で観戦しましたが、特に健大高崎や中央学院は鋭い打球が多かったです。夏は各チームより適応してくるのではないでしょうか。
・アゲアゲホイホイ
惜しくも2年連続準優勝となった報徳学園。しかし、応援団の迫力はすごかったです。特に、チャンステーマの『アゲアゲホイホイ』。前々からその盛り上がりは知っていましたが、1回戦を生で見てからは完全に好きになりました(笑)。また、まさか外野席の一般客で集団になってノリノリになるとは思いませんでした。生で見ていて、なかなか面白かったです。あんまりやり過ぎるのは良くないと思いますが、これくらいならOKでしょう。
・個人的ベストゲーム
健大高崎vs報徳学園・・・忖度なしで決勝戦が一番面白かったです。投手力、守備力、攻撃全てが最高でした。6回に無死2、3塁のピンチを抑えた石垣-箱山のバッテリー。あのイニングを無失点で切り抜けたとことが大きかった。
広陵vs青森山田・・・7回までノーヒットに抑えられながら8回に同点。3点を勝ち越された9回裏には3点を取り返して延長戦に持ち込み、最後はサヨナラ勝ち。その昔、山梨県の市川高校がミラクル市川と呼ばれた様に、ミラクル山田が本当にすごかった。
愛工大名電vs報徳学園・・・生観戦したこともありますが、伊東と今朝丸の両投手の投げ合いは見事。この試合では報徳学園の守備力の高さが印象に残っています。
中央学院vs宇治山田商業・・・打線が力を発揮し、中央学院の完勝で終わると思いきや、0-7から怒涛の追い上げを見せた宇治山田商業。粘り強さに注目していましたが、まさにその力が発揮された惜しい試合でした。
・印象に残った選手
吉岡暖(阿南光)・・・モイセエフに一発は浴びたものの、チームを準々決勝に導いたピッチングは見事。昨夏の徳島商業の森(NTT東日本)、鳴門工業の冨田(國學院大)など、徳島県からは好投手が次々と出てくる印象があります。
境亮陽(大阪桐蔭)・・・大会前はあまり注目していませんでしたが、神村学園戦でのランニングホームランや報徳学園戦でのスリーベースなど、パワーや走力、肩力と言った身体能力の高さが印象に残りました。そのプレーからOBの藤原恭太(ロッテ)、海老根(SUBARU)が思い浮かびました。
颯佐心汰(中央学院)・・・ベスト4に大きく貢献した二刀流。準決勝を実際に見て、スイングの強さとベースランニング、そして力のあるストレートを中心としたピッチングは凄かったです。現時点でドラフトとかは分かりませんが、将来的には野手としての評価の方が強い印象。
箱山遥人(健大高崎)・・・見事初優勝に輝いたチームの扇の要。大会前は「肩が強い強打者」の感じでしたが、それに加えてキャッチングも上手い。佐藤、石垣の両2年生ピッチャーを上手くリードできていました。柴引、柘植(西武)、清水(広島)など、健大高崎は素晴らしいキャッチャーが多いですよね。
今朝丸裕喜(報徳学園)・・・ストレートと変化球、特にフォークの切れ味が素晴らしい。決勝では少し力んでいる印象がありましたが、3試合24イニングで5失点に抑えた結果は見事。現時点で進路はわかりませんが、間違いなくドラフト候補の上位に入ってくると思います。
・終わりに
個人的にはここ数年では2018年と並んで面白かったと思う今年の選抜。確かに、長打は少なかったですが、これは飛ばないバットが原因ではなく、単に好投手がたくさん揃っていたことも大きいと思います。また、しっかりと捉えた当たりはよく飛んでいましたので、あとはどれだけ新しいバットに適応するかではないでしょうか。
選抜に出場していないチームも各地で試合を重ね、夏に向けた戦いを始めています。甲子園100年となる今夏の選手権は一体どんな大会になるのか、今から楽しみです