甲子園は清原のためにあるのか!
1. 基本情報
清原 和博(きよはら かずひろ)
生年月日:1967年8月18日
出身:大阪府
打席:右投右打
ポジション:ファースト、ピッチャー
2. 経歴
・PL学園
・西武(1986〜1996)
・巨人(1997〜2005)
・オリックス(2006〜2008)
3. KKコンビの甲子園
1983年の第65回選手権に1年ながらスタメン入り。ピッチャー桑田、ファースト清原の1年生コンビの活躍で準決勝に勝ち進むと、前年度のチャンピオン・やまびこ打線の池田(徳島)を7-0で粉砕する。清原は準決勝まではホームランはなかったが、決勝の横浜商業戦で甲子園第一号のアーチを放ち、全国制覇に貢献。今日まで語り継がれるKKコンビの幕開けであった。
翌年の選抜でも、清原は3本塁打を記録し決勝に進出する。しかし、決勝で岩倉(東京)に0-1で敗戦。前評判ではPL有利と見られていただけに、まさかの敗北となった。なお、翌年の選抜では準決勝で敗れ、KKコンビでの選抜優勝は果たせなかった。
春のリベンジを果たすべく乗り込んだ84年の夏甲子園。初戦は享栄(愛知)。いきなり、清原は相手エースの稲葉太にデッドボールを当てられるが、その後の3打席はいずれも本塁打の離れ技。14-1の大勝に貢献する。因みに、本人のYoutubeチャンネル「清ちゃんスポーツ」でゲスト出演した稲葉氏は、「清原の気迫が凄すぎて、頭部付近などの厳しいコースにしか投げることができなかった。結果的にデッドボールとなった」と発言している。その後も勝ち進み、迎えた決勝は取手二(茨城)。後に常総学院を率いた名将・木内監督のチームに、夏前の練習試合では大勝していたPL学園であったが、延長戦の末に敗戦。1安打に終わった清原は春に続く悔しく結果となった。
高校最後の85年夏は2回戦からの登場。相手の東海大山形に対して打線が爆発。なんと1回から8回まで毎回得点となる29点を奪って楽勝ムード。すると、9回1アウト満塁の場面で中村順司監督は清原をマウンドに上げる。この年の選抜・浜松商業戦でも1試合登板していたが、この試合はほとんど肩を作っていなかったこともあり、清原は四球を2個与えることに。しかし、最後は内野フライで試合を締めて29-7で圧勝した。なお、当時の解説からは「身長がある分、重そうなストレートに見える」と評されていた。
続く3回戦は津久見(大分)、準々決勝は高知商業をそれぞれ下して準決勝へ。決勝を賭けた甲西(滋賀)戦では打線が再び力を発揮。清原も2本塁打を放って15-2で圧勝。3年連続決勝進出を果たした。
そして、2年ぶりの優勝を賭けた決勝戦。清原の甲子園最後の相手は宇部商業(山口)。相手にもスラッガー藤井がおり、強打者同士の対決となった。試合は0-1の4回裏に、清原がレフトスタンドに豪華なホームランを放ち同点。その後PL学園がリードを奪うが、桑田が再逆転を許し、再び追いかける展開に。迎えた6回裏にあの有名な実況が生まれる。4回同様1点ビハインドで打席に立った清原は高めのストレートをバックスクリーン横のレフトスタンドに叩き込んだのである。甲子園通算13本目のホームランに、実況アナウンサーは「甲子園は清原のためにあるのか!」と叫ぶ。それだけ、清原の与えたインパクトは大きかったと考えられる。
その後、試合は3-3の9回裏にPL学園がサヨナラのチャンスを迎える。ネクストバッターズサークルの清原が見守る前で、キャプテン松山がタイムリーを放ちサヨナラ勝ち。KKコンビラストイヤーを見事、2年ぶりの全国制覇で締めくくった。
4. 査定
甲子園通算成績 26試合 打率.440 13本塁打 29打点
5. 査定ポイント
(野手基礎能力)
・弾道3:ホームランはライナー性の打球が多い。
・パワーB70:飛ばす力は高校生では歴代トップクラス。
・走力C63:高校当時の足は速い。
・肩力C64:140km/hを越えるストレートも投げ込んでおり、肩は強かった。
(野手特殊能力)
・チャンスB:甲子園通算26試合で29打点。
・広角打法:ホームランは引っ張り方向が多いものの、練習で磨いた逆方向への長打力も発揮。
・威圧感:本来高校生に付けるものではないが、稲葉氏が語っている通り、当時の清原が発するオーラは相手ピッチャーを萎縮させていたはず。
・ハイボールヒッター:外角、低めも捉えることが多かったが、宇部商業戦での2発などは高めのストレートを捉えていたことから。
・三振:85年選抜伊野商業戦では3三振。
(投手基礎能力)
・球速:スカウトのスピードガンでは140km/h越えをマーク。正確な数値は不明なので、少し上の142km/hに。
・変化球:試合映像からナックル、カーブ、スライダーに。
(投手特殊能力)
・緊急登板○:3年生の春と夏に中継ぎでマウンドに。
・奪三振:短いイニングながら浜松商業戦は2個、東海大山形戦は1個それぞれ三振を奪っている。
パワナンバー:12800 22477 13747