パワプロ劇空間

パワプロの再現選手や栄冠ナイン、高校野球について語ります

高校野球について語る#15 タイブレーク

・背景

2022年12月2日、高野連からとあるニュースが飛び込んできました。内容は「来年の選抜は延長10回からタイブレークを導入」すると言うもの。現在は延長13回から、ノーアウト1、2塁で攻撃が始まる様になっていますが、それを早めて10回から行うらしい。これについては「大賛成」でしかありません。

 

・延長戦の歴史

元々は延長18回まで試合が行われていた高校野球松山商業vs三沢商業は決着つかずに決勝戦再試合、箕島vs星稜は延長18回で決着。近年、といっても24年前になりますが、松坂大輔擁する横浜と、後の日テレアナ擁するPL学園の試合は延長17回の死闘となりました。しかし、高校生への負担が大きすぎると言う理由から、延長15回までに短縮。さらに、2018年からは現行のタイブレークが導入された経緯があります。

・筆者の考え

なぜ「大賛成」かと言えば、「延長13回でもあまり負担は変わっていないから」です。一番の例は2019年夏の星稜vs智辯和歌山の一戦。延長14回タイブレークまでもつれこんだ試合は、星稜のサヨナラ勝ちで試合が終わりましたが、この試合で当時の星稜・奥川が投げた球数は165球。「高校生なら少し多めくらいじゃん」とか考えているあなたは非常にチープ。8月の快晴の甲子園の暑さは想像以上だと思います。実際、奥川は途中から足が攣りかけていましたからね。

・高校生>プロ野球と言う意味不明な現状

2017年のWBCではタイブレークは延長11回から導入されていました。プロ野球選手が11回からで、高校生が13回からでは全く意味がわかりません。体が出来上がっていない高校生を酷使している様なものですよ。

今回の高野連案に対して、必ず出てくる意見は以下の様なものでしょう。

「試合が面白く無くなる」

 

じゃあ、高校野球見るな」

「選手が頑張って戦っているのに心を打たれた!」「痛みに負けないピッチングに感動しました!」なんてことを聞いたりしますが、そんな精神論で感動するのが日本人の悪いところ。怪我なく体に負担が少ない様な環境下で、全力でプレーする選手を見る方が感動できると思います。なぜなら、今以上に全力でプレーがしやすくなれば、結果として選手のプレーも向上するからです。「面白く無くなる」とか言ってる人は、今後一切高校野球を見る資格はないです。「面白い」の定義を勝手に作ってるだけですよね?。

 

・時代に追いついてきた高野連

最近の高野連の改革は評価すべきことが多いです。「選抜出場校の選考基準を明確にできていない」以外は優秀です。主に以下が挙げられます。

①継続試合の導入

②球数制限の導入

③雨天順延の際の柔軟な日程調整

④体調不良者のチームの試合日程調整

⑤休養日の追加

⑥白色スパイクの認可

⑦高校女子野球の甲子園決勝戦の開催

吹奏楽、応援団を認可(責任を取りたくない行政機関も見習え)

これに「10回からタイブレーク」も加わることになりますので、さらに高野連に対しての評価は上がります。

・まとめ

少子化に加え、野球少年・少女が減少傾向にある現代、高校野球は存続の危機にあると言っても過言ではないと思います。そのため、少年野球を含めたアマチュアのフィールドから改革をしていく必要があります。学生の方々がプレーしやすい環境を整え、「野球がやりたい」と言う気持ちを選手に持ってもらえる様にしていくことが、高野連をはじめとする組織には求められていると思います。その意味でも、「延長10回からのタイブレークは評価すべき改革である」と、筆者は考えます。