躍動していた9年前の夏
1. 基本情報
オコエ 瑠偉(おこえ るい)
生年月日:1997年7月21日
出身:東京都
打席:右投右打
ポジション:外野手(センター)
2. 経歴
・関東一高
・楽天(2016〜2022)
・巨人(2023〜 )
3. 2015年夏の甲子園
高校野球100年のメモリアルイヤーとなった2015年夏の甲子園。早稲田実業の清宮幸太郎目当てに多くの観客が集まったこの大会で、勝ち進むとと共に注目を集めた男がオコエ瑠偉である。
2回戦からの登場となった関東一高。初回、オコエが挨拶がわりのプレーを見せる。先頭バッターとして登場したオコエは、一塁線に痛烈な打球を打つと、ファーストがグラブを弾いて打球はファールグラウンドを転々とする。すると、オコエは一気に二塁に猛然とダッシュ。相手の隙を見逃さないプレーで二塁と陥れた走塁に、甲子園の観客は仰天とする。続く打席は右中間に打球を運び、持ち前のベースランニングで三塁打にすると、チャンスで迎えた第三打席もタイムリースリーベースを放った。初回から立て続けに見せたオコエの圧倒的パフォーマンスに、筆者も含めた高校野球ファンの注目度は一気に上昇した。なお、試合は8-0から追いつかれて接戦となったが、12-10で高岡商業を振り切り3回戦に進出した。
中京大中京との3回戦でオコエは守備で魅せる。初回にいきなりピンチを迎え、相手の放った打球は左中間へ。抜ければ走者一掃となりそうな打球をオコエは背走して見事ジャンピングキャッチ。相手エースの上野翔太郎は大会でも屈指の好投手であり、先制されていれば苦しい展開が予想されていただけに、チームを救うビッグプレーとなった。試合は長島のサヨナラホームランが飛び出し、関東一高が1x-0で制してベスト8に進出した。
準々決勝は興南戦。変則サウスポーである比屋根にオコエは苦戦し、ノーヒットのまま9回を迎える。二死二塁でスコアは3-3。次の1点が勝敗を決める場面で打席に立ったオコエ。強打者相手にも怯まず、比屋根はインコース低めに投げ切ったが、ややボールは甘いコースに。オコエはこれを体を回転させてジャストミート。打った瞬間、オコエはそれまでの悔しさと、当たりを確信した両方の気持ちを含んだ雄叫びを挙げると、打球はレフトスタンドに飛び込む勝ち越しの2ランホームラン。チームの準決勝進出を決める一打にスタンドは熱狂となった。
決勝を賭けたセミファイナルの相手は東海大相模。小笠原(中日)と共にダブルエースを形成していた吉田凌(オリックス)の前に、オコエはヒット1本のみであったが、チーム唯一の得点のホームを踏み、一矢を報いた。試合には敗れて甲子園を去ることとなったが、強烈なインパクトを残した97回の夏であった。
高岡商業戦で一塁に走るオコエ(左) 興南戦でホームランを放ち雄叫びを上げるオコエ(右)
4. 査定
5. 査定ポイント
(特殊能力)
・走塁A:ベースランニングが速い。Bでも良いですが、インパクト重視。
・チャンスメーカー:一番バッターとしてチャンスメイク。
・インコースヒッター:内角のボールをうまく捉える場面が多かった。
・決勝打:興南戦での9回の勝ち越し弾が印象的。
・盗塁E:走力はあるが、盗塁時のスタートに難があり、企図数も多くなかった。
パワナンバー:12500 52592 11262