パワプロ劇空間

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【パワプロ2023】田中将大(2006夏 駒大苫小牧高校)

苦しみながらも勝ち進んだ夏

1. 基本情報

田中 将大(たなか まさひろ)

生年月日:1988年11月1日

出身:兵庫県

打席:右投右打

ポジション:ピッチャー

2. 経歴

駒大苫小牧高校(2004〜2007)

楽天(2007〜2013)

ヤンキース(2014〜2020)

楽天(2021〜 )

3. 2006年夏の甲子園

73年ぶりの夏3連覇を目指した2006年夏の甲子園駒大苫小牧のエース田中将大は胃腸炎との戦いでもあった。初戦の南陽工業(山口)戦、私もこの試合をライトスタンドから観戦していた。序盤は危なげない投球を見せていたが、4点リードの4回2アウトからヒットと連続四球で満塁のピンチ。ここでワイルドピッチで失点する。その後もはっきりとわかるボールが見られ、7回表を終わると4-3の1点差まで詰め寄られる。しかし、その後は抑え、5-3と苦しみながらも初戦を突破した。

ベスト8を賭けた3回戦の相手は青森山田。田中は体調不良の影響でスタメンを外れ、控えの菊池が先発。しかし、相手エース野田の3ランHRなどで、3回途中から田中がマウンドに。しかし、4回表終了時で1-7と大きくリードされる。青森山田のエース野田は初戦でスライダーのキレが抜群だったこともあり、私はこの時点で「今年は終わったなあ」と正直思っていた。が、ここから駒大苫小牧が底力を見せる。田中が徐々に本来のピッチングを取り戻し流れを引き寄せると、打線も6回裏に2点、7回裏に1点を返し、8回は田中のヒットなどで一挙3点を取って8-8の同点に追いつく。しかし、直後の9回表の守りで、5回以降は抜群の投球を見せていたた田中が2アウトから痛恨のタイムリーを浴び、再びリードを奪われる。ミラク駒苫もここまでか!?と思われた最終回、1アウトから中澤が起死回生の同点アーチをライトスタンドに叩き込む。インコースの厳しいボールを捉えた一発は、甲子園史上でも歴史に残るほどの悪球打ちである。解説も「信じられないくらいの当たり。今のは決して失投ではなく、もう一度打てと言っても打てない」と絶賛するものであった。その後、2アウトから田中がセンター前にヒットを放ち、サヨナラのチャンスを作る。スライダーが持ち味であった野田は、この頃にはそのキレを失っていたが、当時の渋谷監督は県大会から野田に頼りきっていたために続投を決断。しかし、次打者三谷への4球目に投じたスライダーは完全な抜け球(パワプロ2024の新しい赤特)でど真ん中に。これを三谷は逃さず振り抜くと、ボールはフェンス直撃の一打に。一塁ランナーの田中は2塁、3塁を回ってスピードを緩めず一気にホームへ。青森山田の中継プレーも無駄はなく、クロスプレーは際どいタイミングとなったが、田中のスライディング(ホーム突入)にキャッチャーはボールを掴めずゲームセット。当時学生の私は部活のためリアルタイムで見れていなかったため、あとでハイライトを見て鳥肌が立つ劇的な試合となった。一般的には早稲田実業との決勝再試合が話題になるが、個人的にはこの青森山田戦の方が100倍面白いと考える。田中自身もハンカチ王子との決勝より、この3回戦の激闘が心に残っていると語っている。

準々決勝の東洋大姫路(兵庫)戦も苦しい試合に。先発した田中は初回にホームランを被弾、4回にも2点を失い0-4と青森山田戦同様に追いかける展開に。しかし、6回裏に三谷、三木、中澤、本田の4連打で一気に同点に追いつくと、7回には乾(元日ハム)から1点を奪って遂に試合をひっくり返すことに成功。直後の8回表に満塁のピンチを迎えるが、ここを田中が抑えきる。体調がすぐれない中でも、要所でギヤを上げる投球が印象的であった。

準決勝は智辯和歌山と激突。準々決勝で帝京と13x-12の壮絶な打撃戦をサヨナラで制した優勝候補との対決を見るため、私は再び甲子園に駆けつけた。この大一番で、駒大苫小牧の先発岡田、2番手菊池がいずれもピリッとせず、2回途中から田中がマウンドへ。田中を倒すために、名将・高嶋監督は練習から周到な準備を行なってきたが、スライダーにバットがくるくる。練習マシーン以上の切れ味を前に、強力打線は太刀打ちできず。田中は被安打4、10奪三振で見事に勝利したのであった。

勝戦はみなさんよくご存知の通り、早稲田実業との引き分け再試合の末に準優勝。惜しくも夏の甲子園3連覇はならなかったが、万全の状態でない中でも奮闘した田中の活躍は今でも記憶に残っている。

4. 査定

5. 査定ポイント

(基礎能力)

コントロールD57:BB/9は2.87。

スタミナA85:決勝の1戦目は12回を投げ抜くスタミナ。南陽工業東洋大姫路戦は9回完投しましたし。

変化球:スライダー、Vスライダー、カーブ。他にもチェンジアップやフォークも投げていましたがオミット。

(特殊能力)

対左打者B:対左打者被打率は.117(120打数14安打)、対右は.215(102打数22安打)。

クイックC:確認した範囲でのクイックタイムは最速1.06秒(手動計測)。

尻上がり:先発、中継ぎいずれも回の後半に連れて無双。

奪三振奪三振率は9.35。

対ランナー○:ランナーなし時被打率は.210、ランナー1塁時の被打率は.114。

ゴロピッチャー:GO/FOは1.85。特に3回戦以降は打たせてとるピッチングのスタイルが定着。

四球:初戦の南陽工業戦は与四球6個。他の試合でも回の先頭バッターに与える場面が見られた。

シュート回転:時折真ん中に入るストレートが見られ、東洋大姫路の林崎にはそのボールをスタンドに運ばれた。

流し打ち:逆方向に持っていくバッティングでチャンスメイク。

ホーム突入青森山田戦の最後の場面が印象的。

パワナンバー:12800 62444 57761

(追記)

ブログのサムネ画像の参考はこちらから↓。

dataniki.hatenablog.com